ダンプ運転手への転職を考えている方にとって、どのようなメリットとデメリットがあるのか、気になることはたくさんありますよね。
残念ながらダンプ運転手の世間のイメージとしては、3K労働「きつい、汚い、危険」などと言われています。
でも、実際はどうなんでしょう。
この記事では、私が実際にダンプ運転手として働いてみた結果のメリットとデメリットについて、詳しくご紹介します。
ダンプ運転手のメリットは?
ダンプ運転手として働くメリットは以下の通りです。
- 運転好きには天職
- 1人で気楽
- 誰でもなれる
- 仕事に慣れるまでが早い
- 仕事という感覚があまりない
- 人間関係のトラブルが少ない
- 運転スキルが身につく
- 地理や道に詳しくなる
- 高齢になっても働ける
順番にご紹介していきます。
運転好きには天職
ダンプ運転手の仕事は、面倒な手作業での積込みや荷降ろし作業がないため、ほとんどが運転することだけです。
そのため、ダンプ運転手は「運転が好きじゃない」「運転が苦痛、苦手」と感じる人には向かない仕事です。
しかし、「運転が好き」「運転が楽しい」と感じる人には、ぴったりの仕事です。自分の好きなことをして、お金を稼げるので運転好きな人には、まさに天職です!
1人で気楽
ダンプ運転手は基本的に1人で仕事をするので車内は自分1人の空間です。
同じ運転手でもバスやタクシー運転手などは、お客さんが乗っていますがダンプ運転手は1人です。車内で誰かに気を使うことなど、一切ありません(笑)
そのため、コミュニケーションをとるのが苦手な人にとっては、最高の職業といえます。音楽を聞いていようが、誰かと電話していようが、安全運転さえ意識していれば自由です!
また、バス運転手は決められたルートを時刻表通りに走る必要があります。
しかし、ダンプ運転手は自分の好きなルートで走れて、仕事内容にもよりますが、時間指定なども特にありません。なので気楽に仕事ができます!
誰でもなれる
現在ドライバー業界は深刻な人手不足です。ダンプ運転手も若い世代の人材が圧倒的に足りていない状況です。
そのためダンプ業界では、必要最低限の免許とやる気さえあれば、性別に関係なく誰でもダンプ運転手として働けるチャンスがあります。
仕事に慣れるまでが早い
職人さんなど技術を必要とする職業には、技術を身に付けるまでに数年かかるものや、特別な資格が必要となる場合が多くあります。
しかし、ダンプ運転手は、そのような職業に比べて必要なのは「運転免許」と「運転スキル」だけなので仕事に慣れるまでが早いです。
もちろん仕事を始めたばかりの時は、知らない道やダンプのサイズ感覚などでストレスや、苦労することもあると思います。
でも、この2つさえ覚えてしまえば気持ちにも余裕ができてきます。
また、会社にもよりますが1年も経てば、覚えることもほとんどなくなり、一人前のダンプ運転手になることができます。
仕事という感覚があまりない
車内は自分1人の空間なので、なにをしていても自由です。会社にもよりますが、車内を自分好みにいじることも可能です。
仕事内容にもよりますが、ダンプ運転手は待機時間が多いので、運転中以外は1人で家にいるのと変わりません。
寝台に布団を敷いて寝ている運転手もいます(笑)
また、暇つぶしのために車内にiPadやパソコンを積んでいる人も多くいます。最近では実際の仕事風景をYouTubeなんかに投稿している人もいますよね。
人間関係のトラブルが少ない
仕事をしていく上で重要なのが人間関係が良いかどうかですよね。職場の人間関係が良くないとストレスが溜まり、仕事を続けることができなくなってしまう人も多いと思います。
しかし、ダンプ運転手は基本的に1人で運転する仕事なので、人間関係や人付き合いが苦手な人でも周囲の環境に左右されることなく、安心して働くことができます。
自分1人だけの空間で、自分だけの時間を過ごすことができるのは、ダンプ運転手ならではの特権です!
運転スキルが身につく
ダンプカーは、大型ダンプでも他の大型トラックと比べると車長が短いので運転は、簡単だろうと思う人もいると思いますが、それは大きな間違いです。
それは、ダンプ運転手が行く現場に関係があります。ダンプ運転手が行く現場は狭くて整備されていない道路などが多いです。そこへバックで侵入していくことが基本です。
そのため、他のドライバー職に比べてバックで走行することが圧倒的に多いので、高い運転スキルを身に付けることができます。
地理や道に詳しくなる
ダンプ運転手は勤務する場所が決まっているわけではなく、現場によっていろいろな場所に行くので、知らない間に地理や道に詳しくなるというメリットがあります。
また、ある程度道を覚えてくると自分で、混まない道や最短で走れるルートを見つけたりして工夫するようになります。
なので、小さな抜け道や道路が空いている時間帯など、地域ごとの道路情報についても知識を身につけることができます。
高齢になっても働ける
ダンプ運転手の積込み作業は、ショベルカーやホイールローダーなどの建設重機が行い、降ろす際もショベルカー、または、ダンプアップで一気に降ろします。
ダンプ運転手が自らダンプから降りて作業をすることは、ほとんどありません。
他のトラック運転手は、バラ積みと言って手作業での積込み積降ろし作業があります。大型トラックなど大きな車両になると、この作業に1〜2時間以上かかることもあり、かなりの肉体労働になります。
しかしダンプ運転手は運転席に座っているだけです(笑)
そのため、高齢化の影響もありますが50〜60代のダンプ運転手も多く、活躍できています。中には70代でやられている方もいるので、運転技術さえあればダンプ運転手は高齢になっても、それだけ長く働けるというメリットがあります。
ダンプ運転手のデメリットは?
ダンプ運転手として働くデメリットは以下の通りです。
- 天候に影響されやすい
- 事故を起こすリスクがある
- 体調を崩しやすい
- 運転手のままでは昇給が少ない
- 他の職業への転職が難しい
- 楽で他の仕事ができなくなる
順番にご紹介していきます。
天候に影響されやすい
ダンプ運転手は天候に影響されやすい職業です。その理由は、道路工事や建設現場などは天休工雨になることがあるからです。
台風や降雪などの場合は、路面の状況も悪くなり危険が伴うので現場中止になることがほとんどです。
積雪が多い東北方面の地域や、梅雨時期などの雨が多い季節は、収入が不安定になってしまうことがあります。
安定した収入を得るためにも1日の最低日給保障のある会社や、月給制の会社に入社することが大切です。
事故を起こすリスクがある
ドライバー職全体に言えることですが、毎日、公道を走行するダンプ運転手は、常に事故を起こさないよう、意識することが大切です。
自分では、安全運転を意識していて、交通ルールを守っていても第三者が原因で起きてしまう事故もあります。
事故が起きてしまうと、車体のダメージや現場への到着が遅れるなど、会社や取引先に迷惑がかかってしまいます。
運転中は、人身事故といった最悪のケースを防止するためにも、目視による安全確認の徹底がとても重要です。
体調を崩しやすい
ダンプ運転手は、会社によりますが夜勤がある場合があるので勤務時間が不規則になりがちです。
睡眠不足や食事の時間が不規則になってしまい、どうしても生活リズムの乱れが起きてしまいます。
また、長時間座って運転することもあるので、職業病として腰痛に悩まされる人も多くいます。
健康な身体を維持するためにも、休みの日は身体を動かしたり適度に運動をするなど、体調と健康管理に気を付けることが大切です。
運転手のままでは昇給が少ない
ダンプ運転手に限らず運転手という職業は、他の職業と比べて初任給は高くなっていますが、勤続年数が長くなっても大幅な給料アップは期待できません。
20〜30代の運転手でも50代の運転手と給料に大きな差はなくほとんど一緒で、長年勤めていても給料が年々上がっていく会社は、ほとんどないでしょう。
若いうちはいいですが年齢を重ねていく毎に、他の職業の同年代と比べると収入の格差が広がってしまう場合があります。
他の職業への転職が難しい
ダンプ運転手を長く経験されている方が他の職業に転職にしても、また運転手に戻ってこられる方が多くいます。
他の職業では、会社の人とのコミュニケーションや他人と関わることがダンプ運転手に比べて圧倒的に多いので、それが苦痛に感じてしまい、長続きしないことが多いです。
また、運転以外にもスキルや特別な資格があれば話は別ですが、長年ダンプ運転手だけで稼いできた人間は年を取るほど、他の職業への転職が難しくなります。面接時は完全な人柄勝負になります。
そのため、ほとんどの人はダンプ運転手をやめても他のドライバー職や別のダンプ屋に再就職していることが多いです。運転手だけで長年働いてしまうと運転手以外の選択肢が消えてしまいます。
楽で他の仕事ができなくなる
先程もお伝えしましたが、ダンプ運転手は1人で仕事ができて、肉体労働がないため慣れてしまうと、とにかく楽な職業です。ドライバー職の中だと1番楽な仕事かもしれません。
会社や現場にもよりますが、運転している時間より待機している時間の方が長いこともあります(笑)
そのため、この楽さを味わってしまうと他の職業への転職ができなくなってしまう人が多いです。そもそも他の職業への転職を考えることすらなくなってしまいます(笑)
これが1番のデメリットになるかもしれません。
まとめ
ダンプ運転手のメリット・デメリットについて、まとめてみましたが、意外とデメリットが少なかったと思います。
ご紹介した内容が主なもので、他にも細かいメリットとデメリットもありますが、それほど意識する必要はありません。
ダンプ業界に限らず、他の職業でも良い点悪い点はあると思います。メリットしかない会社、デメリットしかない会社なんて存在しませんよね。
ダンプ運転手に転職する際、きちんと業務内容を細かく聞いておくことが、会社選びで失敗しないために重要になります。
自分自身が納得できる、良い会社を見つけて充実したダンプ運転手ライフを送って下さい。