ダンプ運転手への転職を考えている方で、ダンプカーの種類や、それぞれどんな免許が必要なのか、分からないという人も多いですよね。
ここ約10年間で2回の運転免許の改正があり、取得した時期によって運転できる車両の条件や区分が複雑になっています。
この記事では、ダンプカーの種類や必要な免許・資格などについて詳しく解説しています。
ダンプカーの種類
一般的にダンプ業界で使用されているダンプカーの種類は、以下の通りです。
3tダンプ
出典:https://www.55truck.com
4tダンプ
出典:http://www.taiyojidosha.com
8tダンプ
出典:https://www.truskey.jp
10tダンプ
出典:https://www.getruck.net
免許の種類
平成19年6月1日までの免許は2種類のみでしたが、2度の運転免許改正により、現在では以下の4種類になっています。
- 普通免許
- 準中型免許
- 中型免許
- 大型免許
そのため現在では、免許を取得した時期によって運転できる車両の範囲が大きく変わってきます。
また、取得時期で分けると以下の3つに分かれています。
- 平成19年6月1日までに免許を取得した人
- 平成19年6月2日〜平成29年3月11日に免許を取得した人
- 平成29年3月12日以降に免許を取得した人
それぞれの免許で乗れるダンプカーの種類と一緒に解説していきます。
①平成19年6月1日までに免許を取得した人
平成19年6月1日までの運転免許制度の区分は、「普通免許」・「大型免許」の2種類になります。
この時の免許制度では、普通免許で4tダンプまで運転することができます。
普通免許「3t,4tダンプ」
車両総重量 | 8t未満 |
最大積載量 | 5t未満 |
大型免許(特定大型自動車)「3t,4t,8t,10tダンプ」
車両総重量 | 11t以上 |
最大積載量 | 6,5t以上 |
②平成19年6月2日〜平成29年3月11日に免許を取得した人
平成19年6月2日から新たに「中型免許」が誕生し「普通免許」・「中型免許」・「大型免許」の3種類になりました。
普通免許「運転可能なダンプカーはありません」
車両総重量 | 5t未満 |
最大積載量 | 3t未満 |
中型免許「3t,4tダンプ」
車両総重量 | 5t〜11t未満 |
最大積載量 | 3t〜6,5t未満 |
大型免許「3t,4t,8t,10tダンプ」
車両総重量 | 11t以上 |
最大積載量 | 6,5t以上 |
③平成29年3月12日以降に免許を取得した人
平成29年3月12日からは「準中型免許」も誕生し、現在の4種類になりました。
普通免許「運転可能なダンプカーはありません」
車両総重量 | 3,5t未満 |
最大積載量 | 2t未満 |
準中型免許「3tダンプ」
車両総重量 | 3.5t〜7.5t未満 |
最大積載量 | 4,5t未満 |
中型免許「3t,4tダンプ」
車両総重量 | 7.5t〜11t未満 |
最大積載量 | 6,5t未満 |
大型免許「3t,4t,8t,10tダンプ」
車両総重量 | 11t以上 |
最大積載量 | 6,5t以上 |
免許取得にかかる費用と期間
平成29年3月12日以降の運転免許で、ご説明していきます。
準中型免許
所持免許なしの場合 約36万円
- 合宿免許 最短日数18日〜
- 通学免許 最短日数24日〜
中型免許
準中型免許所持の場合 約17万円
- 合宿免許 最短日数8日〜
- 通学免許 最短日数12日〜
大型免許
準中型免許所持 約32万円
- 合宿免許 最短日数14日〜
- 通学免許 最短日数20日〜
※これらの費用と期間は、所持している免許の種類や教習所のプラン、地域や時期などによって大きく変わってきます。
また、教習所へ通学の場合の平均期間は2〜3ヶ月となっています。
ダンプ運転手が持っていると役立つ資格は?
これからご紹介する資格は、持っていると転職の際に役立つ資格になります。
けん引免許
けん引免許とは、自走しない状態の車両総重量が750kgを超える車を牽引する場合に必要な免許になります。
貨物自動車のひとつで、運転席と荷台が分離できる構造になっていて、運転席はトラクターヘッド、荷台はトレーラーと呼ばれています。
ダンプ運転手の場合、ダンプトレーラーを運転する際に必要になります。
出典:http://www.kodaira.co.jp
費用
教習所に通う場合にかかる費用は、約12~17万円、合宿だと約10~15万円が相場となっています。
大型特殊自動車免許
大型特殊自動車免許とは、「大型特殊自動車」を運転する際に必要な免許で、工事用車両などの建設重機や農作業用の車両など、作業をするための車両を運転できる免許です。
ダンプ運転手の場合、会社によってはショベルカーやホイールローダー等の建設重機を運転することもあるので、持っていると転職の際に役立ちます。
出典:https://www.nikkei.com
出典:http://yamada-cmjv.jp
費用
また、合宿の場合は、8〜13万円となっており教習所よりも、若干安い傾向にあります。
車両系建設機械運転者
車両系建設機械運転者「整地、運搬、積込みおよび掘削用」とは、実際に現場でショベルカーなどの建設重機を運転する際に必要な資格になります。
車両系建設機械運転者は、講習で取れる資格になります。
費用
大型特殊自動車免許と、普通または大型自動車免許を持っている方は、2日間で約3.5〜4.5万円程です。
運転免許は最初に取得した方がいい?
現在の運転免許だと普通免許で運転できるダンプカーはありません。1番小さい3tダンプでも「準中型免許」が必要になります。
そのため、ダンプ運転手として働くのであれば最低でも「準中型免許」が必要です。
現在ダンプ業界は深刻な人手不足ですが、免許を持っていない未経験者と経験者であれば、経験者を優遇して採用する会社の方が多いため、先に取得しておいた方がいいといえます。
なので、基本的にダンプ業界に入職する前に必要最低限の運転免許は取得しておいた方がいいです。
例えば、あなたがダンプ運転手として乗りたい車種が4tダンプであれば「中型免許」、10tダンプであれば「大型免許」を入社前に取得しておいた方がいいでしょう。
「免許取得支援制度」のある会社に就職するのがオススメ!
僕的には、「免許取得支援制度」のある会社に就職するのがオススメです!
ダンプ運転手初心者の人は、あなたが現在持っている免許で運転できる車種から乗り始めましょう。
道に詳しくない人や、運転に自信がない人は3tダンプから乗り始めて、まずは道と運転に慣れることが重要です。
そして、慣れてきたら「中型車・大型車」へとステップアップしていくのがいいでしょう。
このときに免許取得支援制度がある会社であれば会社が免許代を負担してくれます。
免許取得支援がない会社に入社してしまうと、大型に乗りたい!ってなったときに自腹で免許代を支払うことになってしまうからです。
免許代は中型免許で約20万円、大型免許だと35万円程するので、できれば会社に負担してもらいたいのが本音ですよね。
求人を探す際は免許取得支援制度がある会社をピックアップしましょう。
まとめ
この記事では、運転免許を取得した時期によって異なる運転免許の区分の違いや、ダンプ運転手に必要な免許・資格について解説しまた。
会社によっては、必要な免許を入社後に会社負担で取らしてくれるところもありますが、そのような会社はほんのわずかなので、余裕があれば前もって取得しておくといいでしょう。
また、必要な免許や資格を持った上でダンプ運転手を目指すと、自分の条件に合う会社や就職する際の選択肢が広がるので、ぜひ取得してみて下さい。